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手延べそうめんの「厄(やく)」とは

昔から「手延べそうめんは、古くなったものの方が美味しい!?」と言われ、冬季に仕込んだ製品を蔵で貯蔵し、夏季の需要期に備えていました。それはそうめんや冷麦などの細物は、貯蔵すると食感が硬く、シャキシャキとした歯切れの良い麺質になり、この食感の変化が好まれていたためです。この麺質の変化現象のことを麺業界では「厄(やく)」または「厄現象」と呼んでいます。梅雨期の高温多湿期を一回迎え越したものを「新物」、二年目以降のものを「古物(ひねもの)」と呼び、古いものほど貴重品とされている産地もあります。

では、貯蔵によって変化する「厄(やく)」とは、どのような現象なのでしょうか。

熟成

食品において「熟成(じゅくせい)」という言葉をよく耳にすると思います。栄養・生化学辞典によると「熟成とは、食品をある条件において良好な状態にさせること」とあります。
すなわち、貯蔵や寝かしによって自身のもっている酵素と外的環境(温度・湿度・時間)などの自然の力を借りて、うま味や風味を向上させ、物理的・化学的においしくすることを「食品の熟成」と呼んでいます。

たとえば牛肉などは殺後冷凍保存した肉塊を、数日間貯蔵して柔らかい肉にします。他にも長期間貯蔵することで発酵を促し品質や美味しさを向上させるワインや洋酒、チーズ、お味噌なども熟成によって美味しくなる食品ですね。

めんの熟成

製めんにおいても熟成が行われています。「多加水熟成麺」などよく耳にする言葉ですね。手延べ製めんにおける、いわゆる熟成と呼ばれている工程を表にしてみました。

手延べ製めんにおける熟成の種類と内容
種類内容・目的
① 生地熟成

混練した麺生地をしばらく寝かすことによって、しっとりとまとまりのある生地にすること。生地熟成は、麺のおいしさの要であるグルテン組織配列を作る事ではなく、小麦粒子への十分な水和を目的とするためにおこなう寝かし(熟成)です。

② 麺帯熟成前工程で出来上がった麺生地を、成形・複合・圧延という物理的手法により麺帯を作り、グルテン組織を形成していく。複合・圧延を繰り返しながら、コシの元となるグルテン組織配列を形成していくわけだが、急激に圧延すると逆にグルテン組織は破壊されるため、「整形・複合・圧延・寝かし(熟成)」を少しずつ時間をかけながら繰り返すことにより、柔軟で緻密なグルテン組織を形成していく。従って麺帯熟成とは、次の工程へ移行するための必要不可欠な寝かし(熟成)時間です。
③ 乾燥熟成手延べにおいては、延ばし終えた麺をハタにかけ乾燥しますが、急激に乾燥させるとせっかく出来たがったグルテン組織配列が壊れ、麺内部および表面がひび割れ食感がボソボソとしたものになります。低温で乾燥と戻し(加湿)を繰り返しながら、少しずつ乾燥させることが美味しさの秘訣です。
④ 製品熟成
(蔵囲い)

前工程までの熟成は、グルテン組織配列を緻密・強靭にするという物理的変化を目的とした熟成ですが、製品熟成とは、出来あがった乾めんに含まれる小麦タンパク(グルテン)と脂質(遊離脂肪酸)が、貯蔵保存(蔵囲い)中に結合するという化学現象によって麺の食感を改善していくという化学的変化の熟成です。

 

手延べ麺はその製法上(縒りをかけた麺)、麺線に沿う形で縦方向にグルテン組織が形成されます。麺線に沿ったグルテン組織と脂質が結合することで麺のつるみ感が増し、さらにグルテンは月日が経過するとともに本来の粘弾性が失われ、脆く劣化した状態となることから、食感が硬くシャキシャキとした歯切れの良い麺質に変化していきます。これが「手延べそうめんは古くなった物がコシがある。」と言われるゆえんとなっています。

このような現象を麺業界では「厄(やく)」と呼んでいます。気温や湿度の変化により麺内部の水分が吸排出されることによって厄が進むと言われています。

 

麺の「熟成」とは、一般的多くの方が通常解釈されている食品の「熟成」に加えて、少し異なった意味合いも含みます。どちらも熟成することによって美味しさを向上させているのです。

乾めんにおける製品熟成(厄・やく)とは、「貯蔵する事によって、麺質を硬化劣化させ、歯切れの良さを向上させ、つるみ感を増す」事を目的に行う保存期間です。手延べそうめん等の細物ではシャキシャキとした歯切れの良い麺質に変化する事から好まれますが、手延べうどん等の太物には好ましいとは言えません。蕎麦やうどんは「粉は引き立て、麺は打ち立て!」とまで言われています。なぜなら蕎麦は風味を重視し、うどんはモチモチとした粘りのある食感のコシが好まれるためです。また小麦粉はグルテン(小麦タンパク)の含有量に応じて、薄力粉、中力粉、強力粉などに分類されています。すなわち、原料小麦粉の違いにより「厄」の大小は変化します。グルテンの少ない中力・薄力粉を原料とすれば、歯ごたえを感じるまでには長期間の貯蔵が必要となりますが、中力・強力粉を原料とすれば、短い貯蔵期間で済むということになります。乾めん全般に言える事ですが、長期間保存すると麺の硬さは増しますが、小麦粉本来の持つ風味・旨みは薄れ粘弾性(モチモチ感)は落ちていく、ということも覚えておくとよいでしょう。

手延べそうめんは製造時に、ごくごく少量の食用油を麺の表面に塗付する工程があります。この塗付油の脂質が厄現象に関与している、という論説もあります(上部表④~製品熟成)。しかし小麦粉にはもともと1%程度の脂質が含まれており、塗付油のみに帰する事には無理があります。厄を適度に迎えた手延べそうめんは「シャキシャキとしたコシと歯切れの良さ、且つ口あたり滑らかなつるみ感」が楽しめます。この「つるみ感」は、手延べ製法により麺線に沿ってらせん状に形成されたグルテン組織と脂質との結合によって生まれるものであり、グルテン組織に一定の方向性が作られていない機械そうめんに食用油を塗付し貯蔵しても、手延べそうめんのような食感は得られないことからも想像できます。

厄の美味しさとは、手延べ製法における熟成(上記表①~④)を行うことによって生まれる美味しさなのです。

ともあれ「厄(やく)」とは、手延べそうめんをもっと美味しくするための知恵ですが、「古いものほど美味しい!?」というものでもなく、小麦粉の違い等により適正な貯蔵期間があり、厄現象を上手に活用し、正しい保存方法を学んでおくとよいでしょう。
手延べそうめん・うどんの上手な保存方法も紹介していますのでどうぞご参考ください。

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2017/4/20

全国手延素麺品評審査会にて「全国乾麺協同組合連合会会長賞」受賞!

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