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長崎の伝統的唐菓子「麻花兒(マファール)」。地元長崎では「よりより」と呼んでいます。
実はこのお菓子が手延べそうめんの原型と言われているのです。
長崎郷土唐菓子「よりより」
江戸時代初期、南蛮船・唐船によって伝えられたとされる唐菓子です。小麦粉に砂糖・唐あくを混ぜ、捏ねた生地を棒状に成型し、らせん状にねじって油でカラッと揚げたもので、カリッとした歯ごたえと、ほのかな甘みが後引く素朴なお菓子です。
一説によると、そうめんの起源とされる「索餅」(サクベイ)は、この唐菓子が原型だと言われています。当時日本では「麦縄・むぎなわ」と言われていました。手延べそうめんは小麦粉を練って棒状の麺生地を作り、縄を綯うように縒り合わせて作ります。一本の麺は幾重にも麺生地を縒り合わせて引き延ばしたものなのです。まさしく「麦縄」そのものですね。
中国では「索」とは太い縄を意味し、「餅」とは小麦粉と米粉を混ぜ合わせたもの(お餅の事ではありません)。ですから「索餅」とは小麦粉と米粉を練り合わせ縄状に伸ばしたもの、という意味になります。
長崎と言えば「ちゃんぽん」。ご当地グルメNO1と言っても過言ではありません。そのちゃんぽん麺は本来「唐あく」というものを混ぜて作ります。「唐あく(唐灰汁)」とは、膨張剤(炭酸ナトリウムが主成分)のことで、例えていうならパン作りに欠かせない酵母菌あるいはドライイーストみたいなものと考えてください(全く別物ですが)。中国北部のカン湖から湧き出る混合炭酸塩を水に溶かして使用していたものが起源とされます。長崎ちゃんぽんの「ちゃんぽん麺」は唐あくを使ったものが元祖で、独特の風味と味わいが特徴的です。「よりより」も唐あくを使うのが本流と言われています。
日本では「唐あく」は食品添加物・薬品にあたり、製造許可された業者は長崎市内にわずか3件の製麺業者しかいません。現在、ほとんどの中華麺は「唐あく」の代わりに「かんすい」(炭酸カリウムが主成分)を使用しています。
2017/4/20
全国手延素麺品評審査会にて「全国乾麺協同組合連合会会長賞」受賞!
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